天然ブリの旬がずれている!?夏も美味しいブリの不思議

寒ブリ、ブリしゃぶ、ブリ大根…。ブリといえば寒い時期に体を温めてくれる美味しい魚です。

冬の時期を表す「ブリ起こし」という言葉もあるほどです。

※北陸地方(特に富山県や石川県など)で使われる言葉で、冬の始まりを告げる雷のことを指します。ブリは冬に脂がのって美味しくなる魚で、富山湾などで漁獲されることが多いです。冬の雷が鳴り響く頃にブリの漁が最盛期を迎えるため、「ブリ起こし」と呼ばれています。この雷は冬の季節風が強くなり、寒気が南下してくるタイミングで発生しやすく、雷鳴が漁の開始を告げる象徴的な存在として語り継がれてきました。

このとおり、ブリと言えば、冬が旬のイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。

ですが、実は近年の天然のブリは産地を選べば8月ごろから脂が乗り始め、 すでに9月には旬と言えるとてもおいしい時期を迎えます。

本記事では、そもそも旬とは何を表すのか、そしてブリがなぜ夏から美味しくなるのかを解説します。

目次

そもそも旬とは?

そもそも、旬の定義は2つあるとされています。それには食文化や近代までの漁業が深く関係しているのです。

美味しくなる時期の旬

旬といえば、通常の イメージでは、美味しくなる時期を指すと感じる方が多いと思います。

例えば、梅雨時期のイワシや、肝がおいしい冬のアンコウ(キアンコウ)。 白子や卵がおいしい冬のタラ(マダラ、スケトウダラ)。 これらは多くの方がイメージする旬の季節といえます。

冬の時期の天然ブリも、 ここで指しているとおり美味しくなる時期の旬ですね。

たくさん獲れる時期の旬

もう一つの「旬」の定義は、たくさん獲れる時期を指します。近代以前の漁業では、現在のような保存技術がなかったため、その時期に大量に獲れる魚をすぐに食べることが必要でした。

結果的に、漁獲量が多い時期が「旬」とされ、人々はその魚を食べる機会が増えていきました。

例えば、春のマダイ(桜ダイと呼ばれる)や春のサワラ(漢字の「鰆」がまさに旬を表しています)など、大量に水揚げされる時期などがこれにあたります。

この場合、旬というのは必ずしも「美味しい時期」とは限らず、食材が豊富で手に入りやすい時期という意味での「旬」となります。富山湾のブリも、冬に大量に水揚げされることから、この時期が「旬」として広く認識されてきました。

春のマダイやサワラももちろん美味しいのですが、実際のところ脂の乗り具合や刺身で食べた時の旨みは、脂をしっかり蓄えた冬の時期の方が美味しかったりするのです。

ブリの冬の旬について

特に天然のブリは、冬になると身に脂がのり、味が最も良くなるとされています。これは、冬の寒さに備えて体に脂肪を蓄えるためであり、寒ブリ(かんぶり)という言葉が使われるほど、冬のブリは特別な存在です。

北陸地方の冬の味覚として有名で、富山湾ではブリが水揚げされると各地でその漁の豊かさが祝われます。冬の雷「ブリ起こし」は、そんな冬のブリ漁を予感させる象徴的な自然現象であり、地元の人々にとって特別な意味を持っています。

このように、「美味しくなる時期の旬」と「たくさん獲れる時期の旬」という2つの定義が、私たちの食文化に深く関わっているのです。

ブリが日本で北上している理由や、夏から脂がのって美味しくなる理由には、海水温の上昇生態の変化が関係しています。

夏にブリが美味しくて旬になっている!?

2010年代ごろから、築地市場や豊洲市場では夏からブリの評価が上昇し始めました。

かつては「寒ブリ」と呼ばれる冬の日本海のブリが最も美味しいとされていましたが、近年では夏にも脂がのった美味しいブリが主に北海道で水揚げされるようになっています。

これには、海水温の上昇が大きく関係しています。日本近海の海水温が上がることで、ブリの活動範囲や成長パターンに変化が見られ、夏にも豊富なエサを摂取できる環境が整ったため、夏のブリも脂がしっかりと乗り、これまでの「冬だけが旬」というイメージが変わりつつあります。

季節の変化に応じて、ブリの旬も多様化してきたのです。

天然ブリの漁獲量は北海道がナンバーワン

2024年現在、天然ブリの漁獲量では北海道が日本一となっています。2000年ごろから北海道でブリが獲れはじめ、2020年代に入ってからは1990年代の数十倍もの量が獲れるようになっています。

北海道でも夏から秋にかけて豊富なブリが水揚げされるようになり、漁獲量が大幅に増加しました。

かつては北陸地方や九州地方での漁獲が中心でしたが、今では北海道が天然ブリの漁獲量が都道府県別で第1位となっています。

これは、海水温の上昇により、北海道沿岸までブリが北上するようになったためです。以前は寒冷すぎた北海道の海が、ブリにとって理想的な環境になっていることが原因と考えられます。

ブリの北上の理由

日本近海でブリが北上している背景には、海水温の変化が大きく影響しています。温暖化の影響で日本近海の海水温が徐々に上昇しており、これに伴ってブリの生息域も北へと広がっているのです。従来、ブリの漁場は西日本や北陸地方が中心でしたが、最近では東北地方や北海道の沿岸でもブリがよく見られるようになってきています。

ブリの北上の主な要因:

エサの移動: ブリの主要なエサであるイワシやサバなどの小魚も、同じく海水温の変化に伴って北上しています。ブリはこれらのエサを追って移動するため、北の海域でも豊富な食料を得ることができるようになり、その結果として生息範囲が広がっているのです。

海水温の上昇: ブリは温暖な海域を好む魚です。これまでの生息域であった西日本や北陸の海水温がさらに温かくなり、より北の海域もブリにとって快適な環境となってきています。

夏のブリは安くて質が良く、まさに狙い目!

夏のブリは、実は冬に比べて相場が安いことが多いのです。これは、多くの消費者が「ブリは冬が旬」という固定観念を持っているため、夏のブリの需要が比較的少ないことが原因です。

しかし、品質としては脂がのっており、とても美味しいブリが手に入るため、夏はお得にブリを楽しめる絶好の季節とも言えます。

定着した旬のイメージは覆しにくい

長年の伝統や文化の影響で、ブリの旬といえば冬というイメージが強く定着しています。

このため、消費者は夏のブリに対しての関心が低く、結果的に価格が低く抑えられているのです。しかし、知識を持っている人は夏のブリを狙い、おいしく食べられるこの時期を活用しています。

夏にも脂がしっかりと乗ったブリを見つけたら、ぜひそのお得感を楽しんでみてください!

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